愛知県併設型中高一貫の「入学者選考の概要」が決定!?その中身とは!?

子育て・教育
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併設型中高一貫校についての解説はコチラ⇩

愛知県教育委員会が2023年7月28日に併設型中高一貫校の『入学者選考の概要』を発表しました。

これにより、愛知県の公立中高一貫校の対策が本格的に動きだすでしょう。

さて、今回発表された決定内容と予想される懸念点等を交えながら解説します。

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検査方法

検査方法は二段階選抜

二段階選抜とは…

2回に分けて選抜する試験。1回目の選抜をし、その合格者のみを2次試験の受験資格者とし、2回目の選抜を行う。

いわゆる国立大学の入試選抜方法。


一次検査では適性検査、二次検査では面接を実施。

ポイントは一次検査の結果から、受検者数を絞った上で二次検査の面接を行うです。
例えば、名古屋教育大学附属中学校は適性検査・面接・作文の3つの検査をもとに選抜をしている。
今回の場合、一次試験で受検者はふるいにかけられる。
つまり、基礎学力の有無で足切りをされます。
後述の通り、調査書もないため個人の考えや動機などのアピールは全て二次検査からです。
一次検査を通過しなければ二次検査は受検ができません。
小学6年生にとってかなり過酷なものでしょう。
※一次検査通過者は、募集人員の2倍~2.5倍(160人~200人)と想定している。

スケジュール

愛知県内の国立・私立中学校と同様の時期(12月~2月上旬までの間)
土曜日又は日曜日を予定。

愛知県内では海陽中等教育学校が12月に始まり、1月下旬~2月上旬に東海中学校・滝中学校の入試があります。(学校によって2次募集校があります。)
国立・私立中学校と足並みを揃えての実施。やはり各校同一日程

一次検査で募集人員を縛り込むということは、二週にかけて実施と予想される。
試験(検査)・面接を1日かけてやる学校や2日間にかけて行う名古屋教育大学附属中学校とは異なります。他の地域のように国立の試験日にどちらかを被せる可能性もあるでしょう。

試験内容

前回の発表から、新たに決定された点があります。
一次検査の概要
・小学校学習指導要領の範囲内
・思考力・判断力・表現力等を測る
・教科で区別することなく、教科横断的な問題
・英語は出題なし
・全問選択式

二次検査の概要
・探究力、共感力、寛容性、ねばり強さ
・志願者の体験を基にやり取りしながら、資質を見出だしていく
・探究学習をしっかり学び続けようとする意欲や志望動機

注目すべきは、記述式ではなく選択式を採用された点でしょう。
合否判定後の点数開示で受験者の保護者と揉めないように記述式を避けた可能性もあります。
また、記述式だと採点に時間を要します。その当たりを考慮したのではないでしょうか。
前述の通り、2週間にかけて実施の可能性があります。1次試験の合否結果を即時にでき、採点ミスも少ない選択式の方が効率が良いということでしょう。

しかし、全問選択問題になることで、問題の難易度は記述式よりも下がります。
つまり、高得点の中での争いになると考えられます。

調査書について

・調査書の提出は求めない
・直近の通知表の写し

愛知県内の私立中学校では調査書の提出は多く、他の地域(主に関東)の公立中高一貫校では調査書の提出が一般的なようです。
今回の愛知県での公立中高一貫校では調査書は求めないとありますが、どのような意図があるかは明確ではありません。
ただ、はっきりしているのは一次検査の適性検査で多くの受検者をふるいにかけるのは間違いありません。

抽選の実施について

抽選は実施しない

抽選は生徒の資質・能力や努力と関係ないところで結果が出ることは好ましくありません。
今回の抽選を実施しない決定は好感を持てるでしょう。

やはり傾向と対策は必須

「小学校の学習範囲から出題し、教科ごとに区別せず教科横断的な問題」とあるから、小学校の授業で問題ないとたかをくくっていると痛い目に合います。

いかに短時間で資料・情報から課題を読み取り、分析し、判断し導き出せるかが問われる
いくら小学校の学習の範囲外の高度な知識が必要ないとはいえ、普段から上記のような考え方が習慣的に出来ているかと言われれば怪しいところでしょう。

公立中高一貫の問題に慣れるのではなく、頭の使い方を身に付けることが重要なのです。
物事に対して分析・判断をしたり、視点を変えて考えたりすることの練習を積み重ねていく必要があります。

どんな問題が過去に出題されているか実際に手に取ってみるとよいでしょう。

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愛知県教育委員会は2023年12月上旬「適性検査サンプル問題」を公表の予定です。
続報を待ちましょう。

公立中高一貫のみの受験は…

オススメしません。
難関私立並みに倍率が高くなる公立中高一貫しか選択肢を子どもに提示しないのは危険です。
精神的なプレッシャーを過剰に与えるだけでなく、仮に不合格になった場合のケアがより一層必要です。

公立中高一貫に行かせたい理由は何でしょうか?

「偏差値が高く、学費が安い」が理由ではないでしょうか?
また「ダメなら地元の公立中学校に言ってリベンジすればいいよ」なんてことは言っていないでしょうか?

もし上記のような理由ならはじめから公立中高一貫校中学受検はオススメしません。

それならば、高校受験で目指させる方が親子共々ストレスを感じません。
そもそもリベンジしたいのは子どもでしょうか。
親が子どもに対して保険をかけるかのような枕詞になっています。

学費に関しては確かに合格さえできれば、学費は私学よりも随分と負担が減ります。
中学受験専門塾に通うための塾の費用は勿論ばかになりません。
私立中学受験の場合は、第一志望が不合格であっても第二・第三が合格の可能性があります。
公立中高一貫のみの受験の場合、高い倍率が予想されるため不合格ということも意識しなければいけません。

受験直前まで、「こんなに頑張っているうちの子が落ちるなんてことはない。」
そう思う親がほとんどかと思います。

当然です。一生懸命勉強する姿をまじかで見て、夢はかなうと信じて応援するのが親でしょう。

ただ現実は多くの子どもが不合格を経験するのです。
例えば名古屋教育大学附属中学校に受検した約600名のうち合格するのは80名です。
520名は不合格なのです。約80%です。

子どもには先にリベンジではなくチャレンジを促してあげてください。
公立中高一貫校を受検するなら、それに負けないくらい行きたいと思う併願校を見つけることです。

「中学受験基本のキ!」の著者である西村則康先生が日経Xwomanの記事『私立中学と公立中高一貫校は併願できるか?』で私学との併願について語られています。

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メインは私立中学受験で+αとして公立中高一貫校対策がオススメです。
これが逆の場合、次第に私立中学受験対策の負担が大きくなってきます。
私学の対策でも公立中高一貫校で求められているような資料・グラフを読み取る分析力・思考力などは十分身に着けることができます。
公立中高一貫校の対策は小学5年生以降でも間に合うでしょう。

まとめ

『入学者選考の概要』が発表され、本格的に公立中高一貫校対策を検討し始める家庭がでてくるでしょう。
高校受験で入学するには大変難易度の高い学校のラインナップです。
大変魅力的に大人たちは映りますが、公立中高一貫校のメリット・デメリットや仕組みと子どもの性格を理解した上で受検を検討してみてはいかがでしょうか。