恋愛ドラマと婚姻件数の推移との考察

恋愛・結婚
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流行はどこから生まれる?

平成の時代が終わり、令和の新しい時代が始まった矢先に世界的に感染が広がってしまったコロナウイルス。政治家はもちろん著名人達の呼びかけと国民一人ひとりの自覚もあってか日本全体で外出の自粛ムードを生み出すことになった。
流行・トレンドというわけではないが、メディアの影響や日本人によく見られるバンドワゴン効果という心理行動が働いたのだろう。
良くも悪くも何らかの発信源を元に集団全体に影響を与える。2010年以降はSNS媒体が少しずつ影響力を強めてきた。
かつては、テレビや新聞が中心だったと考えると時代の変化に驚かされる。

恋愛ドラマの平均視聴率と婚姻件数

※年横の( )は婚姻件数
※婚姻件数は『令和元年(2019)人口動態統計の年間推計』より参照
※平均視聴率は『ビデオリサーチ』より参照
※ドラマは恋愛ドラマ・恋愛コメデイ・ラブストーリーを対象に視聴率上位1~5作品を選出。
※作品ごとの細かな解説はせず、タイトル・平均視聴率のみ
2000年(798,138件)
ビューティフルライフ 32.3%
やまとなでしこ 26.4%

2001年(799,999件)
ラブレボリューション 17.4%
恋がしたい恋がしたい恋がしたい 17.5%
恋を何年休んでますか? 16.6%
できちゃった結婚 15.9%
Love story 21.0%
昔の男 14.7%
星の金貨 14.7%

2002年(757,331件)
恋のチカラ 16.9%
整形美人 11.4%

2003年(740,191件)
元カレ 15.7%

2004年(720,418件)
世界の中心で愛を叫ぶ 16.0%

2005年(714,265件)
電車男 21.2%

2006年(730,973件)
結婚できない男 16.9%

2007年(719,822件)
プロポーズ大作戦 17.3%

2008年(726,106件)
猟奇的な彼女 8.3%
絶対彼氏 13.2%
薔薇のない花屋 18.6%

2009年(707,740件)
ラブシャッフル 8.79%
スマイル 10.2%
ブザービート 14.4%

2010年(700,222件)
月の恋人~moon lovers~ 16.8%
同窓会~ラブ・アゲイン症候群 14.5%
流れ星 14.1%

2011年(661,898件)
冬のサクラ 14.0%
私が結婚できない理由 16.0%
幸せになろうよ 11.7%
全開ガール 12.3%

2012年(668,870件)
結婚しない 11.8%
最後から二番目の恋 12.9%

2013年(660,622件)
ラストシンデレラ 15.2%
SUMMER NUDE 12.7%

2014年(643,783)
失恋ショコラテイエ 12.3%
続・最後から二番目の恋 12.4%
昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜 13.9%
きょうは会社休みます。 16.0%

2015年(635,225件)
デート~恋とはどんなものかしら~ 12.5%
◯◯妻 14.3%
5時から9時まで 11.7%

2016年(620,707件)
私結婚できないんじゃなくて、しないんです 9.0%
逃げるは恥だが役に立つ 14.4%
世界一難しい恋 12.9%

2017年(606,952件)
恋がヘタでも生きてます
東京タラレバ娘11.4%
あなたのことはそれほど 11.2%

2018年(586,481件)
花のち晴れ 花男 8.3%
大恋愛~僕を忘れる君と~ 10.0%
高嶺の花 9.46%

2019年(583,000件)
初めて恋をした日に読む話 8.5%
おっさんずラブ 4.5%
まだ結婚できない男 9.34%
偽装不倫 10%

視聴率がピークの2000年と安定したヒット作が連発の2001年を境に年々視聴率と婚姻件数は減少傾向に陥りました。2002年に何か特別な出来事があったわけではない。
ただ、2001年の下半期に世界を大きく揺るがす大事件が起きていた。9月11日。そう『9.11アメリカ同時多発テロ』である。これを期に世相が大きく変わったと言える。また国内では2002年にデフレ不況の進行により日経平均株価は10月3日に終値がバブル崩壊後の再安値を更新し、9,000円を割り込んでいた。その後、日本国内外が負の霧に覆われていった。

上記の出来事が直接、視聴率の低下に結びついているか定かではない。
しかし、様々な要因が合わさり恋愛ドラマの関心は薄れ、ムーブメントすら起こらなくなってしまった。2005年の電車男を最後に恋愛系ドラマの平均視聴率が20%を超えることがなかった。ましてや、今のテレビ業界は二ケタ取れればいいとさえ言われている。かつてはジャニーズや人気女優を起用すれば数字は取れると言われていたのが遠い昔の出来事のようである。日本の恋愛事情全般は負のスパイラルに入り込んでいると言っていい。

下がり続ける婚姻件数

恋愛ドラマの視聴率の低下とともに婚姻数も大きく減少しました。この20年でピークだった2001年の約79万9千件から20万件も減少しています。とはいえ恋愛ドラマ視聴率の影響で下がる訳はあり得ません。前述にある通り、負の出来事の重なりと少子高齢・平均収入の低下など様々な要因があります。2000年以降、インターネットの利用が拡大しテレビの影響は弱くなったかに見えますが、マスメディア全体の影響力は強く厚みをました。
何故なら、以前はテレビ・新聞が情報源であり、しかもほぼ自宅でなければ情報を得られなかったものが、今では時・場所問わずに情報を得られるツールがたくさんあります。新聞やニュースといった媒体だけでなく、Twitter・Tik Tok・Instagram・FacebookなどのSNSからの口コミからも情報を得ることができます。もしくはインフルエンサーと呼ばれる人たちを中心に話題が作られています。
そうした中、マスメディアが先導して恋愛・結婚を盛り下げているムードをこの20年の間に作りあげてきたと感じます。この20年で様々な恋愛語録が誕生しました。そのほとんどが一度はメディアで取り上げられています。
・少子化
・若者の結婚離れ
・若者の恋愛離れ
・若者の性行為離れ
・若者の風俗離れ
・年の差婚
・草食系男子、肉食系女子
・晩婚
・ママ活、パパ活
・代理婚活

特に、◯◯離れという言葉は何かと他のモノ・コトにも結びつけられ、あたかも流行っているかのように流布している気がします。

「恋愛や結婚は流行っていない。」

「今の時代は結婚なんて無理してすることはない。」

「晩婚化しているから、仕事がある程度落ち着いて余裕が出来てからしたらいい。」

といったような恋愛や結婚へのマイナスの印象操作をし、若者から恋愛や結婚を遠ざけるような動きがあるようにも思えます。当然、恋愛は自由意志のもとにあり、強いられるものではありません。また、近年では生き方という点にも注目され、LGBTについても度々話題になっています。
事実かどうかはさておき、疑似共感めいた風潮を広げているメディアが婚姻数減少・恋愛ムーブメントの後退を招いているのではないかとさえ感じる。

実は○○も少なくなっている?

少なくなっているのは婚姻件数だけではない。恋愛系をテーマにしたドラマ自体が大きく減少している。それも当然である。視聴者が関心を持たなくなってしまっているのだから、わざわざ視聴率の低くなるテーマを制作する必要がない。

2000年21作品
2001年16作品
2002年19作品
2003年14作品
2004年10作品
2005年5作品
2006年9作品
2008年6作品
2009年7作品
2010年9作品
2011年9作品
2012年7作品
2013年10作品
2014年10作品
2015年13作品
2016年16作品
2017年14作品
2018年11作品
2019年8作品
※wikipedia参考

ピークの2000年から徐々に数字を減らしていき、とうとう年間1桁台の期間があった。2010年代以降は盛り返しているように取れる。しかし、2010年以降は22時台深夜帯での放送が増加。
ゴールデンタイムで恋愛ドラマの盛り上がっていた時代は、社会全体に勢いがあり、婚姻件数も比較的安定していた。しかし社会の大きな変化に伴い視聴率だけでなく、ゴールデン帯の恋愛ドラマ数も減少している。

恋愛ドラマブームの再来が鍵?

恋愛ドラマを視聴したからといってその影響で「恋愛始めました!」「結婚します!」なんて人はほとんどいないでしょう。
芸能人の結婚ラッシュに乗るなんて話はSNS上では聞きますが、それも婚姻件数に大した影響を与えることはない。
加えて、無料で視聴できるYouTubeやabemaTV、AmazonプライムやU-NEXTといったサブスクリプションサービスが流行している。
ありふれた他人の恋愛ストーリーをわざわざTVで観る必要もない。
そう考えると、今後テレビの恋愛ドラマのブームが再度起こることは考えにくい。
もし、あるとするならかつて大ヒットした昭和・平成のドラマを令和版としてリメイクし、話題性を作るといったところでしょう。

恋愛ドラマ視聴率・婚姻件数減少の敵はだれか?

「世間では若者が恋愛に興味がなくなっている。だから、結婚する人も減った!」
「こんな少ない給料では結婚もできないし、子どもも育てられない。」
「結婚後も安心して育てられる環境がない。」
「異性との出会いがなければそもそも結婚すらできない。」
「視聴率が悪いのは若者の興味が他に移ってしまったからだ。」

国が悪いのか?会社が悪いのか?若者が悪いのか?

これからの日本を支えるために若者を支援しなければいけない。にもかかわらず、政府は負担ばかり課せていき、少子化対策・結婚支援もごく一部の人にしか恩恵を受けない。
個人でも問題解決は図れる。給料が低いならば転職という手段もあり、出会いが少なければ、マッチングアプリや結婚相談所を利用するなどの手段もある。まずはその動きが一般化すべきだ。
視聴率が取れないのは制作費が足りない・視聴者が他に関心を持ったではなく、ただ単に飽きられている・関心を持たれなくなっているわけであり、制作側の努力が足りない点もあるかもしれない。

いずれにしても自己責任である。
ただ、今の流れに拍車をかけているのは様々な情報媒体が強い。
これを敵にするか味方にするか次第である。

まとめ

視聴率低下と婚姻件数減少が直接的な要因にあるとは断言できないものの、どちらも社会の動きに反映して数字を落としているような背景がある。

もはや、止められない。
婚活系のブログ記事を書く私個人として、一人でも何かきっかけの一つにならないかと思っている。
全ての人に豊かな出会と人生を。