ヌートリアとは?
ヌートリアとは南アメリカ原産の外来種です。
特定外来生物による生態等に係る被害の防止に関する法律の指定第一次指定種に分類されています。
※
ヌートリアはスペイン語で「カワウソの毛皮」を意味する。英名では「沼ビーバー」と名付けらています。
後ろに長い尾を持ち、後ろ足に水かきが発達したネズミです。
泳ぎが得意な生物ですが、だからと言って泳ぎが速いわけではない。
夜行性の生物ですが、昼間でも活動することもあります。
雑食で水生植物を大量に食べたり、貝類も食べたりします。また、農家で栽培する稲類・豆類・瓜類なども食、田に巣穴を掘り、水田の水を抜くなどの農業被害の報告が出ています。
何故、日本に?天白区のどこに?
ヌートリアは水辺で生息する生き物もあって、その毛皮は水に濡れても保温できる毛皮として、質が高いと評価されていました。しかも繁殖力も高く各地で飼育されました。
日本はその毛の保温性に注目し、明治時代後半から輸入し始めました。
フランスから150頭。第二次世界大戦には兵隊用の防寒具の毛皮として利用しました。
前後は毛皮の需要が減ったことにより、多くのヌートリアが野外に放たれました。
一時は毛皮ブームにより、また飼育が広がりましたが、毛皮価格の暴落もあってまたまた野外に放たれました。
その間もヌートリア達は繁殖を続け、西日本を中心に日本各地で見られるようになりました。
そして、ここ天白区でもヌートリアの目撃情報があり、今回初めて撮影に成功しました。
植原橋のすぐ下でくつろいでいる姿を発見。
近くには子どもだろうか。優雅に上流の方へ泳いでいきました。
天白川上流周辺(日進市)の田んぼにも現れるそうです。
(農作物の被害が心配ですね)
確かに、草木や茂みも多いとヌートリアの巣を作るのに適してそうです。
しかも、敵になる動物も周りにいないものだから、平和に生息できそうです。
名古屋市ホームページ『なごやの外来種』
ヌートリアを発見したら?
基本的に臆病な動物なため、ヌートリアから襲ってくることはありません。ただし、子育ての時期は気がたっている可能性もあるため刺激しないようにしましょう。
・犬を連れていれば、リードをしっかり持ち、犬が威嚇して刺激しないように。
・特に子連れの場合は近付いてくる相手に対して威嚇することもあるため、見つけたら距離を取るようにしましょう。
カピバラのようなかわいらしい顔をしていますが、野生動物なのでどんなウイルスや細菌などを持っているかわかりません。直接触ったり捕まえようとせずに、自治体や専門業者に任せることが一番です。
また、名古屋市では外来生物(特定外来生物)を見つけた際はなごや生物多様性センターまで情報を提供してくださいとあります。
(今回の植原橋下で目撃したヌートリアはメールにて報告させていただきました。)
天白区で外来種問題を考える
外来生物の存在は在来生物の住みかや食べ物を奪うだけでなく、私たちの生活や農業に被害を与えています。
とはいえ、もともとは人間の都合によって本来住んでいた所から無理矢理連れて来られた訳である。
外来生物にとっても「勝手に連れていかれ、捨てられ、駆除されるなんてたまったものじゃない。」と思っても当然だろう。人間が被害を受けたという都合なんて知ったこっちゃないのである。
在来種を守るために駆除していくのか、それとも共存していける道を探すのか。まだまたこの問題の解決は難しそうである。